2015年4月29日水曜日

WMUN 2015


こんにちは。駒場研究会8期旧メン、青山学院大学国際政治経済学部2年の杉野実紀です。今回は314日から23日にかけてソウルで開催されたHarvard World Model United NationsWMUN)について報告させていただきます。

 

WMUNHarvard Universityが主催する模擬国連の世界大会で、毎年2000人以上の学生が世界中から集まります。開催場所は毎年異なり、今年は韓国のソウルで開催されました。日本大使団からは関東五研と九州支部合わせて18名(2名は個人参加)、うち駒場研究会からは私を含め4名が参加しました。

 

私はペアデリゲイツである駒場研究会老メンの岸本万里英とAfrican UnionAU)の“Education in Africa”に関する会議にボツワナ大使として参加し、女性教育の重要性の強調や、就学率を上げる為の給食プロジェクトの提案などを行いました。あくまで私が参加した会議の所感ですが、海外の大会は日本に比べ細かな政策が必要となります。そのため他国の大使との交渉を通して自分の立案した政策のアラが明らかになったり、政策の細部まで英語で上手く説明できなかったりするなど、私にとって課題の多い会議となりました。初めての海外大会、初めての地域会議ということで議事進行や政策立案など戸惑うこともありましたが、他国の学生から日本では得られないような意見や情報を得られたことは今後の糧になると思います。

 

来年のWMUNにも多くの人が参加してくれることを願っています。

2015年4月10日金曜日

模擬国連 全米大会


こんにちは。駒場研究会旧メン、東京大学理科二類2年の廣中彩乃です。本日は、3月に行われた模擬国連会議全米大会日本代表団派遣事業についての報告を致します。これは日本模擬国連(JMUN)主催の事業の一つであり、世界最大規模の模擬国連の大会である全米大会に大使団を派遣し、帰国後には翌年の派遣のために運営を行う事業で、32年という長い歴史を持っています。駒場研究会からは中西、曽我、廣中、松田の4人が参加し、スイス大使として出場しました。


 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
渡米では、提携校との調整と交流のため1週間ほどミシガンに滞在したのち、ニューヨークに移動し、ブリーフィングを日本政府代表部やスイス政府代表部の他、いくつかの国際機関の方から頂き、その後全米大会に出場して世界各国から集まった学生と活発に議論を行いました。


 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
私の所感と致しましては、日本の模擬国連とアメリカの模擬国連の位置づけや会議進行・議論の違いに戸惑いつつも、世界中から集まった人たちと一つのものを作るために協力し、議論することによって、多くのことを学びました。私は世界食糧計画(World Food Programme)の会議に参加し、飢餓対策のための女性の役割向上のための議論を行いましたが、この議場は36カ国約60人の少人数会議でしたので、会議内外での活発な話し合いにより、他の大使との仲を深めることも出来ました。提携校の学生との政策や会議行動の調整では、英語によるコミュニケーションの難しさと、その中でも理解しようという意識を持って納得の行く結論を出すことの喜びを感じました。また、ブリーフィングで外交の最前線で活躍する方々のお話を聞く中で様々な知見を得たことは、国連の活動や自分の将来、国際的な課題についてより意識を向けるきっかけとなりました。この渡米で得られたものを今後の会議や社会への貢献という形で還元していく所存です。













2015年4月9日木曜日

【新入生向け】こまけん春の一日会議のお知らせ


こんにちは、東京大学文科2類の世喜健斗です。

今回は、412日日曜日に開催される「駒研春の一日会議」についての記事を書かせて頂きます。

「駒研春の一日会議」は新入生の皆さんに模擬国連ってどんなことをするのかを実際に知ってもらうための一日体験会議です。

そして、駒場研究会最大の新歓イベントです。

説明会で模擬国連の説明をお聞きになった方もいるとは思いますが、どんなことをするか、お分かりになれましたか。なんとなくは分かったけれど・・・という方も多いことと思います。そんな状態でいきなり一人で会議に参加するなんて、不安ですよね。でも、ご心配はいりません。この「駒研春の一日会議」では上級生とペアになって、会議を実際に体験することが出来ます。また、説明会だけでは伝えきれなかった模擬国連の楽しさや難しさや魅力もこの「駒研春の一日会議」に参加することでお分かりになる事と思います。

模擬国連は言葉だけでは伝えきることが出来ない活動です。経験して初めて分かることや、経験しないと分からないことが数多くあります。

 

今回の「春の一日会議の議場」ではシリア難民危機をテーマとして行います。

 

 
 
 
 
 
 
 
 
アラブの春より始まったシリア情勢の混乱、現在はさらにISILという強力な勢力の登場により混乱に拍車がかかっています。その中で、シリアから逃れた人々は3百万人以上、国内避難民も推定で650万人という、第二次世界大戦以降で最大の難民危機がシリアで引き起こされています。

もちろんのことながら、難民支援を行う国際機関であるUNHCRもシリア難民を救うために様々な支援を行ってきました。しかしながら、シリア内戦の長期化により、周辺諸国の受け入れ能力の限界や第三国定住者の受け入れ国不足といった様々な問題が露呈してきています。

これらのことを踏まえて、シリア難民の保護のためには、UNHCRは今後どのような方策を取るべきなのか、という点について長期的視野に立って包括的に検討する機会としてください。

 

さらに詳しく知りたいという方は模擬国連駒場研究会のホームページ内のLibraryのBGの箇所で春の一日会議(2015)をご確認ください。
模擬国連駒場研究会のホームページはこちら→http://jmun.org/komaba/j/library.html

 

難民問題というのは、非常にポピュラーな問題である一方、国際的に長らく議論されてきつつもいまだに結論が出ていない複雑な議題です。そして、だからこそ面白い議題でもあります。

 

模擬国連の楽しさや奥深さを実際に体験してみてください。そして、深く考え、熱い議論を一緒にしませんか。

皆様のお越しを楽しみに待っています。

 

 

 

詳細はこちら。

日時:4/12(日) 9:00~17:00

場所:国立オリンピック記念青少年総合センター(通称オリンピックセンター)

持ち物:筆記用具、昼食(参宮橋駅前にコンビニあり)

 

集合:830分に参宮橋駅改札前(オリンピックセンターまでは上級生がご案内します)

途中参加、途中抜けも可能です。

会議終了後は、食事会を行います。お気軽にご参加ください。

 

4/14()にレビューを行います。

場所:東大駒場キャンパス 5号館525教室

時間:19:00~21:00

8期強化会議


こんにちは。はじめまして。駒場研究会8期研究の野並です。今回は会議監督をした強化会議の簡単な報告をしようと思います。

 

34日から5日にかけてオリンピックセンターで行い、事前会合は行いませんでした。基本的にWTOを議場として、議題を貿易における途上国待遇としました。ただし、今回の趣向として会議を第1部と第2部に分けたため、議場、議題は実際の所2組あります。第1部は議場をWTOの第8回閣僚会議、議題は先ほどと同様で、第2部は議場をWTOの貿易交渉委員会、農業委員会特別会合、議題は農業における途上国待遇としました。閣僚会合はWTOの方向性を決める議場であり、貿易交渉委員会はそれを具体的に行っていく議場です。2部に分けた趣旨としては、第1部の結果が第2部を進行する大前提とすることで、杜撰になりがちな成果文書を大事にしてもらおうということがありました。

今会議のメインテーマは「交渉とタイムマネジメント」でした。最近の駒場研究会の傾向として、自分の主張を通す方法がかなりの割合で「論破」であり、時には屁理屈やこじつけとも言える論理を用いていたため、交渉を中心に他の会議行動、多様な会議行動を取れるようにしようと考えました。また、最後の数時間に焦って決議案をまとめる会議が散見されたため、そのようなごたごたで不本意な文言が含まれていたり、把握していなかった文言が含まれていたりする決議案が不用意に通ることを懸念して「タイムマネジメント」をテーマとしました。



アンモデベースの会議での数少ないモデの一コマ
 

 

 
 
 


 





話を変えて議題について。WTOでは「世界貿易機関」という名からも分かる通り貿易について扱っています。1995年に設立された組織で、それ以前に前身となる事務局があったとはいえかなり若い組織です。現在のドーハ・ラウンドが設立後初の多角的貿易交渉(ラウンド)というとその若さも際立つでしょう。当然のように先進国が勝手に議題や決議を作り、一カ国ずつ途上国の大使をとある部屋に呼び多数の先進国の大使が署名を促す方式も無くなってまだ20年も経っていません。途上国で開発が進み国際的地位を向上させた結果、実質的にも制度的にも待遇を向上させようとしました。その向上を達成する過程で、先進国に譲歩を引き出すための手札として待遇向上を利用されて現在に至ります。

そもそも貿易ルールは他の国際会議での決議や結論と全く異なり、具体的に定まり、交渉され、抵抗を許さず実行に移すことを求められます。その影響はその後半永久的に自国の経済に影響をもたらし、有利不利のバランスが長期的に維持されるため、交渉に注ぐ力は尋常ではありません。不用意な譲歩は決して許されない議場だったと認識しています。

 
夕食後のモデ

 





 






今回設計にあたってこだわったことはやはりプロシージャーにあります。個人的に要らないと考えるところ(長いスピーチ時間や動議募集の手続き・過程など)を削ぎ落とすこと。また、システムを変えることで会議行動を変えること。この2点を目的としていました。人の行動はシステム(置かれている環境)が変わらなければ変わらないという認識も裏にあります。

 
日陰で裏取引中。現実に則して飛び道具ありな会議でした。

 











 
結論から言えば、これらの考えはやはり理想でした。とはいえ、実際、普通の会議では見られない会議行動が見られたり、交渉への流れができたりなど予想を超える会議になりました。なによりも数少ない「してはいけないこと」しか定められていない様な会議が形になっただけで驚きに値する事だったと思います。議長練と勉強会の時のゲームを通して形にしてくれるだろうと信じて緩い作りにしたわけですが、よかったです。

 

交渉が確固たる手札としてこまけんに加わればもぎこく力がより高まる事必至です。今の他研からの評価に、しっかりとした中身を注ぎ込み、より膨らませることができたら、というのがささやかな思いです。今後の会議でこれでもかという多様な会議行動が見られたらいいなと、できたらいいなと心のそこで願っています。

 

では。