2012年5月23日水曜日

こまけん新歓会議・2012

みなさん、こんにちは!


先の2012年、こまけんの新歓会議で会議監督(会議の設定をする人)だった東京大学文科一類2年の冨岡弘紀です。新歓会議について簡単に報告をさせていただきます^^


今回の会議はUNHCR執行委員会という議場において、「これからの難民戦略」というアジェンダをUNHCRが提起し、「難民の恒久的解決のあり方」「大量難民にどう関わるか」という点について話し合うという内容でした。


簡単に、2つの論点について説明すると、「難民の恒久的解決」というと、難民問題を地球上から発生させなくすることなのかな?と思ってしまうかもしれませんがそうではありません。難民一人ひとりに目を向けて、一人の難民が「難民状態にあって国際的保護を必要とする状態」から自立して生活できるようにするために何らかの方策をうっていくことこそが「難民の恒久的解決」です。


また、大量難民問題とは、読んで字のごとく、難民が大量に出た時に生じる、難民問題への対応システムの歪みのことです。例えば、大量に難民が出てしまえば、難民を受け入れるシステム(難民審査など)は追いつかなくなってしまいます。そうした状況にいかに対応するか、といった点が一つの問題点としてあげられると思います。


それでは今回の会議について簡単に振り返ってみたいと思います。


今回の会議は代々木オリンピックセンターで一泊二日の合宿形式で行われ、非常に活発な議論が行われました。




                    プラカードがいっぱい上がっています。


実際の会議では時間の問題で大量難民問題はあまり話されず、恒久的解決の問題がメインで話されました。恒久的解決の問題は「第三国定住のあり方」「負担分担の基準化」「難民と開発」「難民受け入れ手続きの高度化」といった4つの小論点に分けて話し合われ、EU中心の先進国グループ・一次庇護国、難民発生国が一体化したグループ・その他グループといった3つのグループ代表者が小論点ごとの作業グループに代表者を派遣する形で会議は進行しました。


最終的に決議案は大多数の賛成により可決されましたが、決議自体を見ると、おそらく国際社会に出す決議としては貧弱なものと言わざるを得ないと思います。過去の文書の焼き直しにも満たないような文言も多いですし、おそらくなんらかの「進歩」とよべる点は少なかったのではないかと思います。国の立場を捨てて世界全体のことを考えたときに、国益がぶつかり合って世界全体の「進歩」に至るにはなかなか難しいということを少しでも感じた人も多かったのではないでしょうか。


また、今回の会議においては、国の立場で考え会議を行なった後にも、個人として考えようということでレビューを複数回設け、そういったことを考える機会を提供しました。



今回は難民支援協会の田中さんという方をお招きし、日本の難民に関しての講演をしていただきました。上はその時の写真です。今後もより深くこうした問題について考える機会を提供できたらと考えています。



さて、今回の会議では、新入生を中心に非常に多くの人が積極的に関わる姿勢を見せてくれて、真剣に難民問題について考えて、そして会議を楽しんでくれたのではないかと思います。もしそうであれば、会議監督としてこれ以上ないことだと思います。参加してくれた人は本当にありがとう!


最後に、今回参加してくれた人の今後の活躍が見れることを楽しみにしています!!



                            新歓会議参加者・集合写真!





P.S. なんか思った以上にマジメな書きぶりになって自分でもびっくりです(笑)

2012年5月11日金曜日

こまけん春の一日会議

 みなさんこんにちは!

駒場研究会春の一日体験会議にて、ディレクターをやった東京大学2年の矢島歩です。
大変遅くなってしまいましたが春一の記事を書きます汗

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15日に開催された春一にはなんと、新入生が 50人以上も集まってくれました!
終わった後の新入生に感想を聞いてみると、「楽しかったけど難しかった」っていう感想が多かったです。
今年の春一は、会議設定をNPT運用検討会議とし、議題を「核兵器の役割低減と原子力の平和利用」に設定しました。
確かに「核」は難しい問題であったと思います。しかしながらなぜ、この議題にしたかというと、新入生の皆さんに、安全保障という国際問題において1番根幹的な部分の議論を体験してほしかったからです。
国連憲章を参照してみても、「第一章 目的及び原則」の第一条は、「国際の平和及び安全を維持すること。」という文から始まります。そもそも国連が誕生した背景も恒久的平和を達成するためでしたね。
ただ、国連において第一の目標に掲げられ、NPTでもその他多くの国際会議で議論されてきたにも関わらず、未だ世界の平和を安全は達成されていない。そのことは今回の核をはじめとする、安全保障の問題がどれほど難しいものであるかを物語っていると思います。
けれども、決して何も前進がない訳ではないんです。
2週間ほど前にも実は、NATOが消極的安全保障を導入することで合意しました。


春一を機に、少しでもこういうことに対する皆さんのアンテナが伸びたとしたら、ディレクとしては嬉しい限りです。

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みなさんこんにちは!
春一で議長を務めました東京大学文科一類2年の青柳拓真です。私は当日の様子についてすこし振り返ってみたいと思います。

9時に参宮橋駅という朝早くの集合ながら非常に多くの新入生が集まってくれました。旧メンのほうからの簡単な議題解説、上級生と新入生がペアとなってのポジションペーパー記入の後、10時20分から会議が開始しました。
まず1st meetでは「核兵器の役割低減」について話し合われました。スピーチを中心に各国の意見が表明されたのですが・・・。なかなか妥協点を見出すのが難しかったですね。消極的安全保障、先制不使用という概念がベースとなって話が進みましたが、核問題に対する立場の大きな隔たりを感じることとなりました。会議は難航しましたが紆余曲折しつつも論点が幾つかに絞られ、それぞれの論点のマスター(主要な担当国)を決め、文言を作成していくことになりました。1st meet終了の段階では交渉は煮詰まりきらず、2nd meetの後半で話し合うこととし、いったんお昼休憩に入りました!

ほとんどの人にとって初めての模擬国連活動。この休憩でやっと一息・・・!という新入生も多かったことでしょうね笑
 
束の間の休憩は終わり、13時20分から2nd meetが始まりました。2nd meetではまず2つ目の論点であった「原子力の平和的利用」で、核燃料サイクルの国際化について議論が行われました。この論点は、1st meet以上に紛糾しました。核燃料サイクルの国際化を前提としてその内容を話し合おうという国もいれば、そもそも国際化という前提を認めない、または条件によって認める認めないの立場が変化するという国もいたためそもそも議論のフェーズが完全にずれてしまっていたからです。結果この論点については「今後議論を継続する」という文言のみが決議案に盛りこまれ、現状の問題点を整理したWorking Paperがエチオピア大使により議場に提出されたのみとなりました。

残りの時間を使い、1st meetで進んでいた「核兵器の役割低減」に関する各小論点ごとの文言作成、交渉が本格的に始まりました。ここでは多くの新入生が積極的に旧メン(2年)、老メン(3年)、神メン(4年)、更には超神メン(それ以上)へと交渉に向かっている姿を見ることが出来、その度胸に議長は秘かに感心していました笑 今後がとても楽しみです。
最終的に妥結した文言が日本大使からDRとして議場に提案され、幾つかの修正を経て、満場一致で決議として採択されました。決議が採択された後の雰囲気は何とも言えないものがありますね!


さてみなさん、春一はいかがだったでしょうか?議論のための議論から文言ベースの交渉まで会議の様々な要素が詰まった会議でした。参加者みんなが楽しめる会議であったらフロントとしてこれ以上のことはありません。特に多くの新メンのみなさんにとって初めての模擬国連会議となったこの春一。よい思い出となる会議であったら幸せです。


次の記事は新歓会議についてです!お楽しみに!