みなさん、こんにちは!
先の2012年、こまけんの新歓会議で会議監督(会議の設定をする人)だった東京大学文科一類2年の冨岡弘紀です。新歓会議について簡単に報告をさせていただきます^^
今回の会議はUNHCR執行委員会という議場において、「これからの難民戦略」というアジェンダをUNHCRが提起し、「難民の恒久的解決のあり方」「大量難民にどう関わるか」という点について話し合うという内容でした。
簡単に、2つの論点について説明すると、「難民の恒久的解決」というと、難民問題を地球上から発生させなくすることなのかな?と思ってしまうかもしれませんがそうではありません。難民一人ひとりに目を向けて、一人の難民が「難民状態にあって国際的保護を必要とする状態」から自立して生活できるようにするために何らかの方策をうっていくことこそが「難民の恒久的解決」です。
また、大量難民問題とは、読んで字のごとく、難民が大量に出た時に生じる、難民問題への対応システムの歪みのことです。例えば、大量に難民が出てしまえば、難民を受け入れるシステム(難民審査など)は追いつかなくなってしまいます。そうした状況にいかに対応するか、といった点が一つの問題点としてあげられると思います。
それでは今回の会議について簡単に振り返ってみたいと思います。
今回の会議は代々木オリンピックセンターで一泊二日の合宿形式で行われ、非常に活発な議論が行われました。
プラカードがいっぱい上がっています。
実際の会議では時間の問題で大量難民問題はあまり話されず、恒久的解決の問題がメインで話されました。恒久的解決の問題は「第三国定住のあり方」「負担分担の基準化」「難民と開発」「難民受け入れ手続きの高度化」といった4つの小論点に分けて話し合われ、EU中心の先進国グループ・一次庇護国、難民発生国が一体化したグループ・その他グループといった3つのグループ代表者が小論点ごとの作業グループに代表者を派遣する形で会議は進行しました。
最終的に決議案は大多数の賛成により可決されましたが、決議自体を見ると、おそらく国際社会に出す決議としては貧弱なものと言わざるを得ないと思います。過去の文書の焼き直しにも満たないような文言も多いですし、おそらくなんらかの「進歩」とよべる点は少なかったのではないかと思います。国の立場を捨てて世界全体のことを考えたときに、国益がぶつかり合って世界全体の「進歩」に至るにはなかなか難しいということを少しでも感じた人も多かったのではないでしょうか。
また、今回の会議においては、国の立場で考え会議を行なった後にも、個人として考えようということでレビューを複数回設け、そういったことを考える機会を提供しました。
今回は難民支援協会の田中さんという方をお招きし、日本の難民に関しての講演をしていただきました。上はその時の写真です。今後もより深くこうした問題について考える機会を提供できたらと考えています。
さて、今回の会議では、新入生を中心に非常に多くの人が積極的に関わる姿勢を見せてくれて、真剣に難民問題について考えて、そして会議を楽しんでくれたのではないかと思います。もしそうであれば、会議監督としてこれ以上ないことだと思います。参加してくれた人は本当にありがとう!
最後に、今回参加してくれた人の今後の活躍が見れることを楽しみにしています!!
新歓会議参加者・集合写真!
P.S. なんか思った以上にマジメな書きぶりになって自分でもびっくりです(笑)