駒場研究会春の一日体験会議にて、ディレクターをやった東京大学2年の矢島歩です。
大変遅くなってしまいましたが春一の記事を書きます汗
4月15日に開催された春一にはなんと、新入生が 50人以上も集まってくれました!
終わった後の新入生に感想を聞いてみると、「楽しかったけど難しかった」っていう感想が多かったです。
今年の春一は、会議設定をNPT運用検討会議とし、議題を「核兵器の役割低減と原子力の平和利用」に設定しました。
確かに「核」は難しい問題であったと思います。しかしながらなぜ、この議題にしたかというと、新入生の皆さんに、安全保障という国際問題において1番根幹的な部分の議論を体験してほしかったからです。
国連憲章を参照してみても、「第一章 目的及び原則」の第一条は、「国際の平和及び安全を維持すること。」という文から始まります。そもそも国連が誕生した背景も恒久的平和を達成するためでしたね。
ただ、国連において第一の目標に掲げられ、NPTでもその他多くの国際会議で議論されてきたにも関わらず、未だ世界の平和を安全は達成されていない。そのことは今回の核をはじめとする、安全保障の問題がどれほど難しいものであるかを物語っていると思います。
…けれども、決して何も前進がない訳ではないんです。
2週間ほど前にも実は、NATOが消極的安全保障を導入することで合意しました。
春一を機に、少しでもこういうことに対する皆さんのアンテナが伸びたとしたら、ディレクとしては嬉しい限りです。
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みなさんこんにちは!
春一で議長を務めました東京大学文科一類2年の青柳拓真です。私は当日の様子についてすこし振り返ってみたいと思います。
9時に参宮橋駅という朝早くの集合ながら非常に多くの新入生が集まってくれました。旧メンのほうからの簡単な議題解説、上級生と新入生がペアとなってのポジションペーパー記入の後、10時20分から会議が開始しました。
まず1st
meetでは「核兵器の役割低減」について話し合われました。スピーチを中心に各国の意見が表明されたのですが・・・。なかなか妥協点を見出すのが難しかったですね。消極的安全保障、先制不使用という概念がベースとなって話が進みましたが、核問題に対する立場の大きな隔たりを感じることとなりました。会議は難航しましたが紆余曲折しつつも論点が幾つかに絞られ、それぞれの論点のマスター(主要な担当国)を決め、文言を作成していくことになりました。1st meet終了の段階では交渉は煮詰まりきらず、2nd
meetの後半で話し合うこととし、いったんお昼休憩に入りました!
ほとんどの人にとって初めての模擬国連活動。この休憩でやっと一息・・・!という新入生も多かったことでしょうね笑
束の間の休憩は終わり、13時20分から2nd meetが始まりました。2nd meetではまず2つ目の論点であった「原子力の平和的利用」で、核燃料サイクルの国際化について議論が行われました。この論点は、1st
meet以上に紛糾しました。核燃料サイクルの国際化を前提としてその内容を話し合おうという国もいれば、そもそも国際化という前提を認めない、または条件によって認める認めないの立場が変化するという国もいたためそもそも議論のフェーズが完全にずれてしまっていたからです。結果この論点については「今後議論を継続する」という文言のみが決議案に盛りこまれ、現状の問題点を整理したWorking
Paperがエチオピア大使により議場に提出されたのみとなりました。
残りの時間を使い、1st meetで進んでいた「核兵器の役割低減」に関する各小論点ごとの文言作成、交渉が本格的に始まりました。ここでは多くの新入生が積極的に旧メン(2年)、老メン(3年)、神メン(4年)、更には超神メン(それ以上)へと交渉に向かっている姿を見ることが出来、その度胸に議長は秘かに感心していました笑 今後がとても楽しみです。
最終的に妥結した文言が日本大使からDRとして議場に提案され、幾つかの修正を経て、満場一致で決議として採択されました。決議が採択された後の雰囲気は何とも言えないものがありますね!
さてみなさん、春一はいかがだったでしょうか?議論のための議論から文言ベースの交渉まで会議の様々な要素が詰まった会議でした。参加者みんなが楽しめる会議であったらフロントとしてこれ以上のことはありません。特に多くの新メンのみなさんにとって初めての模擬国連会議となったこの春一。よい思い出となる会議であったら幸せです。
次の記事は新歓会議についてです!お楽しみに!