もう会議からだいぶたってしまいましたが、2011年度駒場研究会前期会議の様子をお伝えします。
前期会議は昨年度より多くの参加者を迎えて始まりました。前期会議も春の一日会議、新歓会議に続く、新しいメンバーの「新歓」の要素を含んでいます。一方で、合宿付きの1ヶ月にわたる長期会議であり、コマケンの「通常活動」の一つといった二つの側面を持っています。この二つの側面をどう会議設定に繁栄するかが前期会議ディレクに特有の役割ではないでしょか。
会議では、「Food Security」、「Forest and People」という二つの議題を設定し、優先順位をつけることで会議時間の制約との妥協を図るという方式をとりました。
2年生以上にとってはなじみ深い(あるいは一度会議経験のある)議題が採用されることの多い模擬国連の会議・議題とは趣旨を少し異にするこの二つの議題について説明します。
「Food Security」の着眼点は、2008年に続き2010年においても食糧価格の高騰が見られたことです。この原因は異常気象、世界人口の増加(先日世界人口が70億人になったことが発表されましたね!)、先物取引の活発化、バイオエタノール等代替燃料への穀物の流出などが挙げられます。この穀物価格の高騰を防ぎ、発展途上国における飢餓を予防しつつも持続可能な社会を達成するために、各国はそれぞれどのような立場で食糧問題に取り組むべきなのかが争点でした。「Forest and People」はとても抽象的な議題であり、説明会などでは「Sustainable Forest Management (SFM)」に焦点を当てて説明しました。この議論は国連森林フォーラム(UNFF)で活発になされており、2010年が国連森林年であったことも考慮してこの議論を選びました。SFMについて少し説明すると、森林あるいは森林からの生産物・製造物に依存する社会を保全しつつも、森林破壊という環境問題から地球を保護するという考え方であり、その両者のバランスの取り方が素点になっています。
実際の前期会議においては、多くの参加国が「Food Security」を支持し、最終会合である合宿の終わりまでFood Securityについて議論がなされました。大使たちは自国の政策、関心に従って論点のグループを形成し、交渉や決議案の作成を行っていました。駒場での1st~4th Meetingでは、主に、資金・自然災害からの防衛・生産性の向上・災害に備えての貯蔵を重視する「気候変動グループ」、投資・バイオ燃料・情報共有・石油価格に取り組む 価格上昇グループ、そしてRight to food(とっても面白いコンセプトなので是非調べてみてください!)から食糧問題をとりあげるグループに分かれていました。
最後に合宿での最終会合にて採択された決議から一部を抜粋して前期会議の紹介の終わりとします。
The Economic and Social Council,
Recognizing that export restrictions led to further price increases by placing limits on global supply and undermining the level of buyer confidence,
Evaluating the ongoing process of developing principles for responsible agricultural investment that respects rights, livelihoods and resources, as well as the inclusive process for the development of voluntary guidelines on the responsible governance of tenure land and natural resources,
1. Supports the cooperative action of G20 to regulate the speculation on food;
11. Requests member states and all relevant stakeholders as the World Bank, UNCTAD, FAO, and IFAD to collect and absorb more information about the influence of the agricultural investment in order to promote and realize sustainable and responsible agricultural investment and analyze better potential agricultural investment proposals;
20. Requires all the countries which have a large river in common, on the model of Mekong River Commission(MRC), to set up a joint project to cooperate in all fields of sustainable development, utilization, management and conservation of the water and related resources of the river basin;
25. Encourages the United Nations University to conduct research on the causes of rising food prices.
2012年度の前期会議がどのようなものになるか楽しみです!