こんにちは。東京大学教養学部文科一類2年の北村光です。
本日は、私が伊藤龍一と共同で会議監督を務めました、前期会議についてご報告させていただきます。
前期会議は、会議テーマとして「国連ってなんだろう」を掲げ、民間軍事会社(PMSC)を問題として取り上げました。
民間軍事会社は、戦争・軍事にまつわる様々な業務を行っています。国連も、PKO派遣の際などに間接的・直接的に民間軍事会社を使用しています。
それに伴って、民間軍事会社による人権侵害が引き起こされているという問題があります。例えばイラクにおける捕虜の虐待や、ボスニアにおける大規模な人身売買などです。ボスニアの例では、国連も民間軍事会社の行為を黙認していたと言われます。
しかしながら、民間軍事会社は国際法による規制を受けておらず、人権侵害行為を裁く有効な手立ても存在していないと言えます。
今回の前期会議では、議場を「国連総会第3委員会」、議題を「人権を侵害し、民族自決権行使を妨害する手段としての民間軍事会社の使用」と設定し、民間軍事会社の引き起こす人権侵害行為を規制・訴追する方策を議論しました。
会議中においては、私北村光が報告者(国連事務局への議論の報告を任務とする。会議中においては、便宜上議事録作成を担当した)を、伊藤龍一が議長を、中村裕太が秘書官を務めました。
この議題は、実際に第3委員会で話し合われている「人権を侵害し、民族自決権行使を妨害する手段としての傭兵の使用」という議題に根ざしており、民間軍事会社の傭兵的な活動によって引き起こされる人権侵害行為を国際法で規制することを望む社会主義国・第三世界国を中心とした規制派グループと、民間軍事会社と傭兵を峻別し、あくまで民間軍事会社を合法的な存在と捉える欧米・先進国を中心とする反規制派グループの間での激しい対立が見られます。
このような対立構造の中、細かい政策ベースでの議論ではなく、「新たな国際規範の定立」という大きなゴールを目指して戦略的に動くこと、そして、実際の国連総会の政治・外交のダイナミクスを体感することを会議参加者たる大使には期待しました。
実際の会議においては、規制派・反規制派の入り乱れた安易なグルーピングや、枝葉の政策議論、今までの決議の読み込み不足による自国の立場の誤解、本音と建前の意識不足などにより、必ずしも納得できる結果には至りませんでした。
規制派にとっては、「国際法による民間軍事会社の規制をするべきだ」という規範の定立から遠ざかり、反規制派にとっては、「民間軍事会社はそもそも傭兵とは全く異なるものだ」という規範の定立から遠ざかる、という会議結果となったのでした。
しかしながら、会議の振り返りを通して、会議テーマである「国連ってなんだろう」を意識する良い機会となったのではないかと考えます。国連総会では何が行われるのか(模擬国連会議においては、便宜上、総会でも枝葉の政策議論が行われることが往々にしてあります)、国際規範の定立を目指す会議を通じて真剣に考える機会となりました。また、民間軍事会社という国連も使用する存在を考察することを通して、絶対的な正義に見える国連ですらも人権侵害に携わることがあるのだということ、国連はあくまで加盟国の意思の総体に過ぎないことなどを意識できたのではないかと思います。
今回の前期会議を通して、国連というものをより深く考え直し、今後の模擬国連会議に活かせる経験ができたのであれば、会議監督として幸いです。
東京大学文科一類2年
北村光
2014年5月19日月曜日
新歓会議2014
こんにちは。駒場研究会7期新歓会議において会議監督を務めました、東京大学文科2類2年の高橋外至と申します。
今回は5月10~11日に代々木オリンピックセンターで開かれました本年の新歓会議についてご報告いたします。模擬したのは世界知的所有権機関(WIPO)の特許法常設委員会の第17回会合で、「特許制度の国際的調和」を議題として会議を行いました。
模擬国連会議においては珍しい分野を扱った会議でしたが、新メン、旧メンともに精力的に会議準備に取り組んでくれました。くわえて、今回の会議は老メンの先輩にもご参加いただきました。老メンの先輩のご参加は、会議慣れしていない新メンだけでなく、まだまだ未熟な我々旧メンにとっても刺激となりました。お忙しい中ありがとうございました。
会議当日は、当初は会議慣れしていない新メンの多くが議場の流れに戸惑いつつも、最終的には自分なりに担当国の会議行動の指針を見出し、奮闘していました。熱心に会議準備をしていた新メンが会議本番でその成果を発揮すべく行動している姿を多く見ることができ、会議監督としてはうれしい限りでした。
一方で我々の未熟さが露呈し、新メン、旧メンともに課題の見つかる会議でもありました。今後の会議活動を通じて今回見つかった課題の解決に努めていきたいと前期会議を控えた今、思いを新たにしています。引き続き駒場研究会をよろしくお願いします。
最後になりましたが、会議に参加してくれたみなさん、見学に来て下さったみなさん、私とともに会議準備をしてくれたフロント陣に感謝の意を述べさせていただきます。ありがとうございました。
2014年4月27日日曜日
模擬国連会議全米大会
こんにちは。
駒場研究会旧メン、東京大学文科一類2年の伊藤龍一です。
今回は、ニューヨークにおいて、3月30日から4月3日に開催された、模擬国連会議全米大会について報告させていただきます。
私は、模擬国連会議全米大会派遣事業第31代団員の1人として、今大会に参加しました。
全米団派遣事業とは、日本から代表団を全米大会に派遣し、帰国後は次代の派遣に向けて運営を行う、という事業です。駒場研究会からは矢倉、北村、私の3名が参加しています。
私は、南アフリカ大使として、国連環境計画(United Nations Environment Programme)の会議に参加し、輸送に関するグリーン経済について議論しました。
400人規模の会議は、どのグループで何が議論されているかも把握するのが難しい、という初めての経験でした。
世界各国から集まる参加者と、矢継ぎ早に出てくるアイデアを議論しながら、具体的な政策にしていく過程は、貴重な経験となりました。
また、自分が練り上げていった政策を文言として残すことができたのは、自信になりました。
もちろん、会議の進み方であったり、言語の壁であったりと、困難を感じる時間もありましたが、主体的に他の大使と関わり続けることで、会議を楽しむことができたと思います。
今回の経験を、これからの模擬国連活動に役立てていきたいと思います。
2014年4月21日月曜日
こまけん春の一日会議2014
こんにちは!
駒場研究会春の1日会議(通称:こまけん春一)の会議監督を務めさせていただいた駒場研究会7期、お茶の水女子大学2年の斉藤美沙季と申します。4月13日、代々木オリンピックセンターにて行われたこまけん春一のご報告をさせていただきます。
この会議は新入生に模擬国連、そして駒場研究会の魅力を伝えることを目的としたもので、私たち上級生はこの会議のために一生懸命準備してまいりました。
議場は2012年ブラジルのリオデジャネイロで開催された「国連持続可能な開発会議(リオ+20)」で、議題は「持続可能な開発と貧困撲滅の文脈におけるグリーンエコノミー」を取り上げました。環境と経済の両立を目指すグリーンエコノミーという考え方は、環境問題を扱う中でホットなトピックですが、それゆえ概念的に曖昧で捉えにくい部分も多く、少々難しかったと思います。
論点1では、グリーンエコノミーの定義を話し合いました。定義という概念レベルの議論では、具体的な内容をイメージするのが大変だったと思いますが、参加者それぞれがグリーンエコノミーのあるべき姿を考え、真剣に話し合っていた様子が印象的でした。論点2では、食料安全保障、水、エネルギー、海洋、森林減少の5つの分野でグリーンエコノミーの政策を考えました。ここでは新入生が政策を自ら考え、活発に議場を動き回り上級生相手でもひるむことなく交渉している姿をたくさん見ることができました。
今回のこまけん春一をきっかけに一人でも多くの新入生が模擬国連の楽しさ、こまけんの魅力を感じてくれたのなら、春一会議監督としてこれほどうれしいことはありません。
最後に、この会議に携わってくれたすべての方に心より感謝申し上げます。朝早くから参加してくれた新入生の皆さん、頼もしい6期の先輩方、大好きな7期のみんな、3か月前から共に準備してくれたフロントメンバー、本当にありがとうございました!
今後も駒場研究会全員で協力してこまけんを盛り上げていきたいと思います!
2014年3月26日水曜日
【新入生向け】春の一日会議のお知らせ
駒場研究会最大の新歓イベントのご紹介をします!
新入生のための模擬国連1日体験会議
「駒場研究会春の一日会議」
今回は、国連持続可能な開発会議(リオ+20)を取り上げ、
“Green economy in the context of sustainable development and poverty
eradication”(持続可能な発展と貧困撲滅の文脈におけるグリーンエコノミー) を話し合います。
*日時:4月13日(日) 9:00~17時30分
*場所:代々木オリンピックセンター
*集合:小田急線参宮橋駅改札前 8:30集合(上級生が会場まで案内します!)
*持ち物:筆記用具、昼食(駅前コンビニあり)
★夜には新宿で食事会があります♪
新入生の皆さんに、模擬国連の魅力、そして駒場研究会の魅力を知ってもらうため、
実際に会議を体験してもらいます。
模擬国連や会議のことがよく分からなくて大丈夫です!
上級生が新入生の皆さんとペアを組んで、みなさんをサポートします^^
模擬国連の楽しさ、面白さ、そして奥深さをぜひ感じてください。
私たちと一緒に考え、熱い議論をしましょう。
駒場研究会一同、お待ちしています!
駒場研究会一同、お待ちしています!
会議の詳細、議題について気になる方はぜひ【Background Guide(BG)】をご覧ください!
会議がより一層楽しめるはずです!
Background Guideはこまけんのホームページ上で公開しています。
ダウンロードはこちら⇒こまけん春の一日会議2014BG
こまけんホームページでは新歓日程や模擬国連自体の紹介、こまけんの紹介などなどサークル選びの参考になる情報が盛りだくさんですので、ぜひご覧ください!
(上記BGがダウンロードできない場合も、HPの新歓ページ内からダウンロードしてください。)
こまけんHPはこちら⇒http://jmun.org/komaba/
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