2015年5月2日土曜日

駒研春の一日会議 2015


こんにちは。

春の一日会議で会議監督を務めさせていただきました、こまけん8期・東京大学文科Ⅰ類2年の川端万貴です。私から会議の報告をさせていただきます。

 

この会議は、こまけんの会議に初めて参加する新入生に、その魅力を感じてもらうことを目的にしていました。新入生はペアの上級生にアドバイスをもらいつつ、大使としての第一歩を踏み出しました。

 

今回の議題は「シリア難民危機」で、議場はUNHCR執行委員会総会でした。アラブの春に端を発するシリア内乱の泥沼化は、人権を踏みにじるイスラーム国の拡大と相まって、第2次大戦後最大の難民危機を生み出しました。UNHCRはこれまで、シリア難民を救うために様々なアプローチをとってきましたが、内戦の長期化により、周辺諸国の受け入れ能力の限界、第三定住先として難民を受け入れる国の不足など、新たな問題が浮上しています。それらを踏まえて、シリア難民保護のために今後UNHCRが取るべき方策について話し合ってもらう意図で会議を設計しました。

 

実際の会議では、主に午前の時間を使ってシリア難民の恒常的な解決策(具体的には、周辺国の受け入れ能力強化、第三国定住プログラム、難民の帰還)について、午後の時間を使って喫緊の課題への対処(具体的には、難民キャンプの維持、国内避難民及び都市難民、難民の移動の安全の確保)について話し合われました。モデでは議論の進め方などを巡って、上級生による抽象度の高い議論が繰り広げられ、新入生には分かりづらい部分もあったかもしれません。一方で、アンモデ中に各国との意見調整や文言交渉に主体的に取り組み、スピーチで堂々と意見を述べる新入生の姿を見ることができ、とても頼もしく感じました。

 

この経験を通じて、参加者の皆さんが、地球上には故郷に帰りたくても帰れない人々がいることに思いを馳せ、今後も関心を持ち続けるきかっけとなったのであれば、また新入生の皆さんが模擬国連をこれからも続けたいと思ってくれたのであれば、会議監督として嬉しい限りです。

 

最後になりましたが、設計段階から的確なアドバイスをくださった先輩方、初めての会議に一生懸命に取り組んでくれた新入生の皆さん、様々な仕事を快く引き受けてくれたフロントの4人、心の支えになってくれた8期の皆に、心から感謝しています。本当にありがとうございました。