2014年12月23日火曜日

新メン会議2014

こんにちは。駒場研究会8期、東京大学文科一類1年の中西公輝です。
この度は私が会議監督を、松田大輝と曽我拓実が副会議監督を努めました新メン会議についてご報告させていただきます。

本年の新メン会議は「死刑モラトリアムについて」を議題に1115日に行われました。この会議には後期会議や駒場祭の準備で忙しい中、駒場研究会の新メン14名のほか、四谷研究会から1名、国立研究会から1名、日吉研究会から2名の計18名参加しました。今回の会議は新メンが今までの会議で過去の議論を追うことがあまりできていない、担当国と他国との関係の把握ができていない、アメンドメントの交渉が十分にできていない、という問題意識がフロントで挙げられましたので、その問題を改善するために、論点を過去の議論が適量で、かつ各国が途上国/先進国という枠を離れて、死刑存置国/事実上の廃止国/完全な廃止国、と多様な関係性を持つ「死刑モラトリアムについて」としました。

各大使にはタスクの段階で、過去の議事録や決議を多く見てもらい、過去の議論がどのようなもので、自国がどのような発言を行っているのか、他国がどのような発言を行っているのか、どのような修正案が出されてきたのかを事前にUNBISnetなどを用いて調べてもらいました。その上で、これまでの議論を踏まえて、どのような論理を使って自国の主張を行っていくのかを考える機会を提供しました。

会議では、この会議はコンセンサスを目指しているのか、という死刑存置国の議論が思いの外、長引くこととなり、貴重なDR締め切りまでの時間のうちの1時間半近くを消費することとなりました。このためにDR締め切りまでに実質的な議論の時間が削られてしまうこととなり、これまでの会期では一体となって行動していた死刑廃止国も分裂するなどの状況が現れました。



結果、死刑廃止国は内部調整に難航し、アメンドメントの段階で提出締め切りに間に合わない、という事態に陥りました。この決議案は無事採択されましたが、その一方で、これまでならば賛成していた国が棄権に回る、棄権していた国が反対に回る、など、これまでの会期よりも死刑廃止国の優位が損なわれた感が否めないものとなりました。

新メン会議は全体を通して、フロント、大使ともにその未熟さを痛感し、来年以降、旧メンとして新メンの模範となり、その成長を促すに当って、まだまだ課題があることが露呈した会議となりました。新メンには改めて、自分が今、どのような理由でその行動を取っているのかを考える機会になったのではないかと思います。

この会議は確かに、駒場研究会の公式な活動ではありませんが、しかし、企画にまで貶めてはならないものであると感じています。各人がこの会議から学び、今後の模擬国連活動に活かしていってくれるなら、今回、フロントをさせていただいた私もうれしい限りです。


駒場研究会8期は翌年から運営代となります。駒場研究会を牽引していく者として、今回の会議の経験も活かして、よりよい研究会を目指していく所存ですので、皆様今後ともご支援よろしくお願いします。

2014年12月7日日曜日

全米模擬国連ワシントンDC大会

こんにちは。駒場研究会7期、東京大学文科一類2年の茂木真弓です。私が団長を務めました、アメリカのワシントンDCにおいて先日開催された全米模擬国連ワシントンDC大会(NMUN DC: National Model United Nations D.C.)への駒場研究会からの大使団派遣について報告させていただきます。

今年で4度目となる駒場研究会から海外大会への派遣ですが、今年も派遣先大会の選定から見直し、大会の規模や質を基準にNMUN DCに派遣することにしました。この大会は、40年以上の歴史を持つ全米模擬国連大会の1つであり、世界各地から700名以上の参加者が集まる大規模な大会です。今年は1031日から112日の3日間に渡って行われました。駒場研究会からの大使団は旧メン8名、新メン6名の計14名で構成され、うち8名がベルギー大使、6名がリビア大使を務めました。

今年の大使団派遣において重視した点は、大使団員のサポートです。海外の模擬国連大会に初めて参加する団員も多数いたため、参加経験のある団員が中心となって議事進行のルールや会議の一般的な流れ、自国の立場や政策を提示するポジションペーパーの書き方などを他の団員に共有する機会として勉強会を開催しました。また、各団員が自国の立場や政策を英語で発表する機会を設け、英語力の強化を図りました。

また、渡米後大会直前には国際問題や担当国についての理解を深めるために国務省と駐米ベルギー大使館を訪問しブリーフィングを受ける機会に恵まれました。特に駐米ベルギー大使館では団員からの様々な質問にお答えいただき、各自のリサーチだけでは見落としてしまうような点に気づくことができました。貴重なお時間を割いてくださったことにここで感謝の意を表したいと思います。

大会では国連総会第一委員会や経済社会理事会、世界保健機関など6つの会議に分かれて参加しました。サポートなどを通じて海外の大会の特徴は知っていたものの実際に参加してみると予想以上の違いに戸惑う団員もいましたが、議場全体に対するスピーチや個別交渉で各自準備した政策や主張を訴え、会議の最後まで大使として自国益の最大化を目指しました。

サポート体制が功を奏したのか、各団員の努力が実り、リビア大使団として優秀大使賞(Distinguished Delegation Award)を、私個人として優秀ポジションペーパー賞(Outstanding Position Paper Award)を受賞することができました。これは大使団として誇ることのできる成果だと思います。しかし、この成果で満足することなく自らの大使行動を振り返り、達成できた点とできなかった点を分析して新たな課題を見つけ、今後の模擬国連活動につなげていくことが大切です。

大会終了後には政治の中心であるワシントンDCを散策し、連邦議会議事堂や国立公文書館を見学しました。その建築や景観を楽しみながら、街のあちらこちらに刻まれたアメリカの歴史や精神に触れることができたと思います。


このように、今年の大使団派遣では恵まれた環境の中で各団員がそれぞれ力を発揮し、成果と経験を得ることができました。団長として今回の渡米が有意義なものとなったことを嬉しく思い、各団員がこの経験を今後の活動に生かしていくことを期待しています。

2014年12月5日金曜日

後期会議2014

こんにちは。駒場研究会7期旧メン、東京大学文科一類2年の大内朋哉です。今回は私が会議監督をさせていただいた後期会議の報告をさせていただきます。
フロントは副会議監督兼報道官を旧メンの岡南健太郎、議長を同じく旧メンの渡部大樹、秘書官を新メンの杉野実紀が務めました。

後期会議では、議場を国際連合教育科学文化機関(UNESCO37期総会に設定しました。議題は「『文化間の和解のための国際的10年』へ向けた行動計画の推敲」を扱い、特に「文化多様性と人権の関係」について議論しました。人権は世界のどこであっても普遍か、文化は人権の内容や享受主体に対して影響を及ぼすかということを議論する中で、これまで会議の中で当たり前のように使っていた「人権」という概念を見つめ直すことを目的としました。また、国連総会での議論では深刻な対立が見られるテーマですが、コンセンサス採択というUNESCOの原則に則り、議論を尽くし1つの結論を出すことを期待しました。

会議は、1117日の駒場での事前会合から始まりました。事前会合はすべてアンモデレーテッド・コーカスの形で行ったこともあり、先進国と途上国という2つのグループが構成され、グループ内のスタンスの共有に時間が使われました。グループの規模が非常に大きかったこともあり、スタンスの大枠のみが共有されたというのが印象でした。

2930日の土日を使って本会合が行われました。本会合は予めフロントが作成したタイムラインに従って議論が行われました。議論は、列挙された各国の文化多様性と人権の関係についての案に対して、アンモデレーテッド・コーカスを中心に個別に交渉が行われました。核心的な論点について直接議論することなく個別的な案の検討に終始したことで、コンセンサスの形成には多くの時間が使われ、結局コンセンサスのとれなかった文言は削除されるという形でDRが作成され、コンセンサス採択されるに至りました。

後期会議では「こまけん一年の集大成」として、今までの自分自身の会議行動を見つめ直し、会議行動ののびしろに気づくことをテーマにしていました。それぞれがテーマを達成できたかどうかは各人に委ねますが、少なくともフロントとしては、新メンの確かな成長と、旧メンの人たち会議行動の更なる可能性を感じることができました。また、今会議には老メンや神メンの方にも参加していただいたことで、議論の内容が深まったのに加え、会議全体を俯瞰する力や、議論すべきことのプライオリティの決定などの点で、新メン旧メン共にまだまだ不十分であることにも気づくことができたと思います。


最後になりますが、海外大会や駒場祭で忙しい中一生懸命に会議に臨んでくれた大使の皆さんに感謝します。2014年の通常活動内の会議はこれで終わりますが、2015年も駒場研究会をよろしくお願いいたします。