今年の駒場研究会秋会議は9月9日から11日までの3日間、鬼怒川にて行われました。貸切バスで移動し、前半2日間で会議を済ませて最終日は日光の観光に繰り出しました。
今回の秋会議のテーマは「模擬国連で遊ぼう」であり、議題は「ナポレオン騒動後の欧州体制構築」でした。15人程度の少人数会議を同時並行で二つ開き、それぞれにコンダクター(会議監督)の僕とコンサートマスター(会議監督補佐)の清水がついて会議を行いました。
みなさん模擬国連についてどのようなイメージをお持ちでしょうか? 普段どのように考えて模擬国連に参加しているでしょうか? そのゲーム性に惹かれる人、国際問題について考えることに重点を置く人、議論することに重点を置く人、みなさんそれぞれ思うところをお持ちなのではないでしょうか。
どのような理由で模擬国連をしているとしても、折角なのだから会議を楽しみたい、楽しんで欲しい、そういう思いから今回の会議テーマは「模擬国連で遊ぼう」にしました。参加者たちもそれなりに遊んでくれたのではないかと満足しています。
議題の方の話もしておかなければいけないでしょう。
____時は1814年、欧州中の権力者は野望を胸に古都ウィーンへと馬車を走らせた
ドキドキしてきたでしょう? してこない? してください。
所謂歴史会議というものです。2013年の現代に生き、1814年以降の200年の歴史を知っている僕達が会議参加者となるためには、単に歴史を学んでいるだけではいけません。後から見れば愚の骨頂でしかない判断も、当時の政治専門家たちが下した判断なのです。彼らが単なる無能者だったと決めつけてしまうのでは、歴史から最大限に学ぶことはできません。当時の人が見ていた視点を得てはじめて満足に歴史会議に参加できると言えるでしょう。
ナポレオンによってかき乱された(権力者たちにとっての)平和をどのようにして取り戻すのか、そしてどのようにして維持するのか?
利権を貪欲に求める参加者達の下に伝令の声が届く、「ナポレオンがエルバ島を脱出しました!」
そう、今回の会議はクライシスも多用しました。クライシスとは、会議途中に参加者に新しい情報が伝えられ、その場で行動を変えなければならないというものです。これもひとつ模擬国連を楽しむ要素として取り入れました。会議Aではナポレオンがオスマン帝国将軍となってウィーンに進軍し、会議Bではイタリア北部にナポレオン領が成立してオーストリアまでその領土を広げました。
会議に参加してくれた大使たちがそれぞれ楽しみながらクライシスにあたふたする姿を見ているのは非常に面白かったです。この半年で会議経験を積んだ新メンが、旧メンに堂々と議論をしていく姿やそれに触発されたのかいつも以上に饒舌な旧メンの姿を見て、僕も大使として会議がしたくなりました。
それではみなさん、楽しい模擬ライフを!