2015年12月5日土曜日

駒場祭 カフェ駒場大使館

こんにちは、こまけんの駒場祭出店企画「カフェ駒場大使館」で店長を務めさせていただきました駒場研究会9期新メン、東京大学理科一類1年の舟久保大樹です。私からは今回の企画についての報告をさせていただきます。


 わたしたち模擬国連駒場研究会は毎年、東京大学の駒場祭で企画としてカフェを出店しています。

 今回のカフェでは、一般のお客様に普段私たちがどのような活動をしているのかを紹介するために、特に展示に力を入れました。展示では、今年が国連70周年であることに基づいて、「今まで国連ではどのようなことをしてきたのだろうか?」「そのためにどのような影響が起こったのだろう?」ということを主眼に置いて、わかりやすさを心がけたものを作成しました。


 開店してみると、たくさんのお客様に入っていただいただけではなく、将来、模擬国連に取り組みたい、と考えている高校生や中学生(!!)が訪ねてきてくれました。


 自分たちが狙った通りにお客様が楽しんでいかれる様子を見ることで、私たちも多くの満足感を得ることができました。店長として多くの経験を得ることができたことは素晴らしいことでしたし、店長として不甲斐ない働きしかできなかった自分を支えてくれたこまけんのみんなに感謝しています。ありがとう!!

2015年12月2日水曜日

模擬国連ペンシルベニア大会


こんにちは、駒場海外大会派遣で団長を務めさせていただきました駒場研究会旧メン、東京大学文科2類2年の山本新です。私の方から、駒場海外大会派遣について報告させていただきます。

 

駒場研究会は毎年、海外の模擬国連大会に大使団を派遣していて、今年は1年生3人と2年生5人の計8人が111017日の間渡米し、アメリカのペンシルバニア大学の模擬国連大会UPMUNCに参加しました。ただ大会に参加するだけでなく、付近の政府機関や国際機関の職員の方とお話する機会(ブリーフィング)もあり、非常に貴重な経験をすることができました。

 

今回は大会開催地がフィラデルフィアということで、大会前の数日をニューヨークで過ごし、国連本部においてDPKOPKO局)の日本人職員の方にお話を伺うことができました。DPKOの内情だけでなく、職員の方の個人的なバックグラウンドやグローバルな視点・発想を学ぶことができ、各々が国際機関、そして自らの将来へと思いをはせる機会となったようです。他にも国連に関係したお仕事をしている方にお話を聞き、もちろん観光も楽しみつつ、大会前の期間は過ぎていきました。









 

そして、いよいよ12日にフィラデルフィアに移動し、大会が始まりました。

UPMUNCはペンシルバニア大学主催の模擬国連大会であり、アメリカ全土からさまざまな参加者が集まります。ハーバード大学やイェール大学、シカゴ大学などの一流大学も参加していて、会議だけでなく大学間の交流が特徴と言える大会です。アメリカ人が参加者のほとんどを占める大会に、私たちはノルウェー大使として参加させていただきました。

 

会議については、それぞれ別の議題を受けもったためここで内容について触れることはしませんが、日本の会議とは形式も言語も違い多くの大使が戸惑っていたようです。私たちは会議についていくのがやっとでした。悔しい思いを味わいましたが、ただ挫折を味わっただけでなく得るものもありました。英語力の必要性や、自分の意見をはっきり伝える重要性、アメリカの文化など、今まで情報としてしか知らなかったものを参加者は身を持って実感することができました。単なる文化交流の場ではなく、アメリカ人社会のUPMUNCにマイノリティとして参加したからこそわかったことなのかもしれません。今回の経験が、今後の模擬国連ライフ、そして将来に役に立つものであれば、非常にうれしい限りです

 









最後に駒場研究会海外派遣を盛り上げてくれた海外大会の参加者や、忙しい中ブリーフィングをしてくださった方々、補佐として大会前から大会中まで支えてくれた松田、留守を守ってくれた駒場研究会の皆に感謝の意を表して報告を終わらせていただきます。

2015年11月27日金曜日

新メン会議 2015


こんにちは、こまけん新メン会議で会議監督を務めさせていただきました駒場研究会9期新メン、東京大学理科一類1年の舟久保大樹です。私からはこまけん新メン会議についての報告をさせていただきます。

 

今回のこまけん新メン会議は、1025日(日)に、「核不拡散条約再検討会議(NPT再検討会議)」を議題として会議を開催しました。(2015年の5月に実際の会議では決議文が採択されず、失敗したと世界中から失望されました。)また、今回の議題の性質上、国家同士のグルーピング行動が取られるため、多くの数の国が必要とされることが予想されましたので、他研の新メンにも多く声をかけていき、駒場研究会11名のほか、早稲田研究会5名、四谷研究会2名、国立研究会3名の計21名が参加しました。今回の新メン会議では、新メンが、「国益」と「会議益」についてどのようなバランスを持つべきか、ということについて考えてもらうために、交渉結果がそのまま国益に結びつくことがイメージしやすい「NPT再検討会議」を議題としました。

 

参加者には、今までの会議でどの部分が反省点としてあるのか(例えば、議論の流れが分からなかった、リサーチが不足していた)ということを会議の事前に聞くことで、自分に足りない部分を自覚してもらったり、何を目標とするべきかを考えたりしてもらいました。そして、目標達成のためにどのような行動を起こしていけばよいのか、ということも同時に考えてもらうことで、今回の会議を来年の旧メン代への成長の足掛かりとしてもらうことを狙いとしていました。

 

会議では、事前交渉の段階で核兵器国と非核兵器国にグループが分かれ、予想通り、非核兵器国の中でも主張ごとにグループが分かれる結果となりました。そして、具体的に話し合うことについては、現実の会議で起こった通り、中東の非核化についての話し合いが主なものとなりました。しかし、この「何について話し合うのか」ということが事前交渉の段階では定まっておらず、本会合で話し合われたので、DR提出前の多くの時間が使われてしまい、結果として、2本のDRのうち、体裁などの問題から1本しか通すことができませんでした。

 

結果として、アメンドメントの内容も落ちてしまったDRの内容をどこまで拾えるのか、というものとなってしまい、実質的な議論まで持ち込むことができずに終わってしまう結果となってしまいました。通った決議文は無事に採択されましたが、その内容にも穴が目立つ文言が多く、本当に各国大使が文言をしっかり読み込めているのか、疑問符をつけざるを得ず、決議案を一つの成果として優先させた、といった感想を持ちました。

 

新メン会議では、全体として、フロント陣も含めて、新メンの未熟さが浮き彫りになるものとなってしまいました。来年以降の旧メンとして、新メンの手本となるような会議行動を行うためにはまだまだ課題や問題点が山積しているという印象をうけました。今回参加してもらった新メンにはぜひ、今後の後期会議、強化会議で今回の新メン会議のリベンジを果たしてほしいと考えています。

 

最後に、私が会議監督であるにも関わらず、仕事を丸投げしてしまった会議監督兼議長の南、当日秘書官として会議を支えてくださった曽我さん、世喜さん、そして今回の会議に参加してくださった新メンの皆様に感謝の意を表して報告を終わらせていただきます。

2015年10月10日土曜日

2015 秋会議

こんにちは、秋会議で会議監督を務めさせていただきました駒場研究会旧メン、東京大学文科一類2年の横山雄大です。私から秋会議についての報告をさせていただきます。 

今回の秋会議は9月の6日から8日にかけて茨城県の筑波山温泉にて開催いたしました。二日目までは会議とし、3日目はつくばにて観光しました。 

秋会議では模擬国連としてはかなり特殊な国内の会議を模擬しました。議場は「大東亜戦争における今後の方針について」、議場は最高戦争指導会議および御前に於ける最高戦争指導会議構成員会議(御前会議) です。史実では断続していたいくつかの会議をまとめて一つの会議としました。また議場については天皇が会議に臨席している時を御前会議、それ以外の時を最高戦争指導会議としました。この会議では昭和天皇や鈴木貫太郎のような人物を模擬し、ポツダム宣言への対応を検討しました。さらにこの会議はクライシス会議であり、会議中に諸外国や国内の状況が変化していき、参加者はそれに対応していかなくてはなりませんでした。ありがたいことに他研からの参加者もあり今回の会議は参加者が多くなったため、同一の会議を2つの議場に分かれて行いました。 

今回の会議は特殊なプロシージャやクライシスが採用されていたため、参加者の対応力が試されるものでした。詳しい議論の流れは省略いたしますが、最終的には両議場とも国体護持を達成できず「終戦」ということの難しさを改めて実感いたしました。 

今回の会議は何よりも楽しむことが目的でしたが、ゲーム性の強い今回の秋会議を通じて「こういう会議もあるんだ」と少しでもみなさんの模擬国の世界が広がれば嬉しいです。また今年は戦後70周年ということもあり、今回の会議をきっかけに少しでも戦争について考えて下さったらディレクとしてはこの上ない喜びです。 

最後に、私の力不足な面を補い会議の具体化に大きく貢献してくれた副会議監督の野並、フロントの人手不足の中秘書官に立候補してくれた中島、会議に何かと話題を提供してくれた同じく秘書官の村山、そして参加者の皆様に感謝の意を表して報告を終わらせて頂きます

2015年9月30日水曜日

関西大会 2015


 
こんにちは。日本模擬国連駒場研究会旧メン、日本大学国際関係学部国際総合政策学科2年の窪嶋優希(くぼしまゆうき)です。

私は昨年度まで京都研究会に所属していましたが、今年度から大学を編入し、現在は駒場研究会に所属しています。



今回は私から、8月17日(月)から19日(水)まで三日間の日程で行われた第15回模擬国連会議関西大会について報告致します。


模擬国連会議関西大会は日本模擬国連の主催で毎年8月に行われる国内最大規模の模擬国連大会です。全国から約250名の参加者が集まり、実際に国際会議が開かれる神戸国際会議場・神戸ポートピアホテル(兵庫県神戸市)にて、会議に取り組みます。今年の大会には、「エボラ出血熱への対応」「気候変動」「捕鯨業の規制及び鯨類資源の保全」「海賊問題」「人権の保護と促進・平和への権利」「コソボ情勢」「持続可能な開発のための教育」と、7つの議題の会議があり、三日間熱い議論が繰り広げられ、私たち駒場研究会からも27名が出場しました。



私はコソボ情勢の会議にルクセンブルグ大使として出場しました。この会議は、1990年代後半、セルビアで勃発したコソボ紛争について、現地の民族への弾圧を辞さないセルビアのミロシェビッチ政権に対して、どのように対処していくかというもので、「国際連合安全保障理事会(以下SC)」と「北大西洋条約機構(以下NATO)」の2つの会議で構成され、2つの議場がそれぞれの動きと照らし合わせたうえで会議が進行していく形式で行われました。私が担当したルクセンブルグはNATOの会議に所属していました。



このNATOの会議の大きな特徴としては、まず、議場が国連ではなくNATOであったこと、そして、時間が経過していく毎に、紛争の状況やNATOとSCの議場の動きが刻一刻と変化していく臨場感のある会議でした。これにより、この会議の参加者は、次々と迫ってくる事態の変化に翻弄されつつ、NATOとSCのそれぞれの議場がセルビアのミロシェビッチ政権に対する対抗姿勢(人道的介入)を見出していきます。
 

 
ここからは、会議の内容について報告します。

NATOとSC両者の存在意義について、NATOは国連憲章の目的に従いながら民主主義・自由の価値観を擁護する価値共同体として存在することが定められています。その一方SCでは、国連憲章によって、国際の平和及び安全の維持に主要な責任を有していることが目的として定められています。これにより、私が参加したNATOの会議では、国連安保理に相反するような政策を立案したりすることは許されず、国連の活動を支える条約機構としての政策を立案する必要がありました。



ルクセンブルグの立場としては、簡潔な表現で表せば、「平和に繋がるものなら、積極的に協力する」というものでした。国連の核軍縮に向けた決議では協力国、平和に向けた人道的介入についても、経済援助による後方支援をしたことも多く、NATO創設時からの加盟国として、このNATO会議でもコソボ地域の平和に向けて、あらゆる介入をしていくつもりで、コソボにおける人道的介入には賛成的な立場でいました。しかし、自国の軍隊の数が数百程度という背景もあり、コソボ地域における軍事的介入には後方支援のみしか協力できず、空爆などの軍事的介入には中立的な立場でした。仮に軍事的介入に踏み切ったとしても、後方支援をする国として、それが有意義なものとなることを求めつつ、基本的には人道的介入には平和的な手段を求めていくことが、ルクセンブルグの立場でした。このため、今議場におけるルクセンブルグは、複雑な立場といえ、議論によっては、コソボへの軍事的介入に支持を表明している国々としばしば対立しました。事態の悪化により、空爆や地上部隊の投入による軍事的介入を容認せざるを得なくなるなど、厳しい会議運営を迫られましたが、ルクセンブルグとしての国益は十分に守る事が出来たと感じています。当初はどちらかといえば、議場全体が軍事的介入をとっていくことに中立的であったため、万が一の軍事的介入に向けた動きを想定して、それに向けた慎重で具体的な議論ができ、その軍事的介入が有意義なものとなることを求めるルクセンブルグにとっても、有益なものであったと思います。



今回の関西大会では"Try New Things!!!"という大会テーマが設定されていました。最近、大学生が内向的な傾向があると叫ばれているなか、自分への挑戦や既存の自分の殻を破る勇気、自分の課題の発見といった、新しいことに挑戦していき、最高の経験となることが、テーマに込められています。私は大会が始まる前までの当初は、会議でルクセンブルグのような複雑な立場の国を担当することが、嫌で仕方ありませんでした。

「複雑な立場の国など、自分にはうまくできないかもしれない」

そのような考えがありました。しかしやがて、これは自分に与えられた試練と受け止め、大会テーマのように、新しいことに挑戦することに前向きな姿勢で取り組み、私にとって最高の経験となれるよう生き方を磨いていきたいという気持ちになり、いつしか会議を楽しみにしている私がいて、三日間に及んだ大会は私にとって最高の経験となりました。新しいことに挑戦していくということは、自分の生き方に真剣に向き合うことが必要となる非常に難しいものですが、自分の殻を破って成長しようとする姿勢は、将来の生き方に必ず生かされます。大会に参加されていた皆さんにとっても、将来に生かされる最高の経験となったことでしょう。もちろん、今大会で経験した悔しさもあるでしょう。しかし、その悔しさを次にどのように生かしていくかが大切で、努力と経験を積み重ね、どれだけの熱意をもって取り組んでいけるかが、今後の生き方に関わっていきます。物事に積極的に取り組み、熱意をもって努力を積み重ねながら、ひたむきに日々を歩んでいく。それが人間らしい生き方であると思います。模擬国連という活動は、こうした生き方についても考えさせられるものです。



大学生活という将来へのかけがえのない時を、模擬国連を通して成長していきませんか?

今回の報告で、模擬国連という活動や関西大会への興味を持って頂けたら幸いです。



最後に、模擬国連会議関西大会の企画に関わっていた運営事務局の皆様をはじめ、NATO会議の参加者の皆さん、その他の大会を支えてくださった全ての皆さんに感謝の意を表し、報告を終わらせて頂きます。


最高の三日間、ありがとうございました!
 

 

2015年8月22日土曜日

2015 前期会議


こんにちは、前期会議で会議監督を務めさせていただきました駒場研究会旧メン、東京大学文科一類2年の世喜健斗(せきけんと)です。今回は、私から前期会議についての報告をいたします。

 

まずは、議題は「保護する責任の履行」というものでした。保護する責任とは、「各国政府がそれぞれ第一義的に自国民を守る責任を持つ一方で、その政府が自国民を守る意思または能力がない場合に、国際社会が代わりにその責任を負う」というもので、冷戦後各地で起こる紛争に対応する「人道的介入」の代わりのような概念です。人道的介入は1990年代に、その有効性や正統性に疑問符が付いてしまいました。その後現れた概念が「保護する責任」です。ですが、この「保護する責任」は比較的新しい概念であるため、その具体的な基準などは十分に定まっていません。

 

今回の会議では、保護する責任をどのように運用するかという観点から、事務総長報告書『保護する責任の履行』でも言及された「三つの柱」、に基づいて、特にその中でも第三の柱に当たる「適切な時期と断固とした対応」という軍事的介入に関わる議論がなされました。今回の会議の具体的な流れへの言及は致しませんが、この「保護する責任」の議論には人権保護の観点とともに、介入の正当性など、軍事的な側面も含まれており、旧メンにとっても非常に難しい議論であったと思いますが、新メンも含めた参加者が皆、きちんとリサーチなどの準備をし、モデなどの難しい議論や文言の作成などでも積極的に参加しようとしていたことを、喜ばしく思っています。

 

今回の前期会議では「壁に向き合う」というテーマを設定していました。「保護する責任」という様々な視点が必要となる非常に難しい議題であり、会議に参加する中でも困難に直面しつつ、国連自体の限界にも挑戦するという幾重にも「壁」があった会議でしたが、一生懸命壁に向き合ったくれた参加者の皆さんはいつかその「壁」を乗り越えられるものと思っています。

 

また、今回の会議の議題である「保護する責任」への理解を通して、人権とは何か、正義とは何かなどについても考えてみてくだされば幸いです。

 

最後に、会議監督としては不出来な私に代わり、きちんと会議を作ってくれた会議監督・議長の松田、秘書官兼事務総長として会議を支えてくれた吉田、参加者の皆様に感謝の意を表して報告を終わらせて頂きます。

2015年7月6日月曜日

新歓会議 2015

 模擬国連駒場研究会8期研究統括を務めております、東京大学文科2類の神保真宏と申します。

今回は、わたしが会議監督を務めました、2015年度新歓会議について報告します。

議題は、「都市開発における資源の効率性」について、貧困削減と持続可能な開発の視点から考える、というものでした。簡単に説明するのが非常に難しい議題なのですが、すこし議題の説明をさせていただきます。昨今の国際的な「都市開発」(日本で言うと「渋谷」や「東京駅」、世界で言うと「ドバイ」などをイメージしていただければいいかと思います。)では、目に見える形ですと建築や交通インフラ、また見えないところでも電気ガス水道などのインフラ設備にたくさんの資源が使われています。都市開発によって人々の集住が進むと移動にかかるコストなどを考えていただければお判りでしょうが、資源の節約につながります。しかしながら、技術の無い国では、非効率的・無計画な都市開発が進行してしまっています。また、そういった無計画な都市開発によりスラムなどの貧困問題も起きています。他にもテーマはあるのですが、おおまかに言うと以上の観点について国際的にどう取り組んでいくかを考える、というのがひとつのテーマでした。

会議は、5月9日から10日にかけて、一泊二日でオリンピックセンターにて行いました。細かい議論お流れは省略しますが、事前の勉強会、リサーチ、会議本番と新入生が精一杯取り組んでくれて、会議監督冥利に尽きる、といった感じでした。

新入生にとっては一人で一国を担当する初めての機会であったはずです。正直な話、新歓会議にしては難しすぎる会議設定にしてしまったとも思ったのですが、その心配は無用なほど、積極的な参加が見られたというのが「こまけん」ならではなのでしょうか。

今回は国連でも今はやりの「Sustainable(持続可能な)」という概念を盛り込んだ会議にしました。Sustainable Development Goals(sDGs)やpost-2015 agendaについて知るいい機会になっていればいいなと考えております。

最後に実質的にダブルディレクのような状態で力を貸してくれた同期の中西、花を添えてくれた秘書官のお2人、会議に参加して下さった皆さんに感謝の意を表し、報告を終わらせていただきます。

2015年5月2日土曜日

駒研春の一日会議 2015


こんにちは。

春の一日会議で会議監督を務めさせていただきました、こまけん8期・東京大学文科Ⅰ類2年の川端万貴です。私から会議の報告をさせていただきます。

 

この会議は、こまけんの会議に初めて参加する新入生に、その魅力を感じてもらうことを目的にしていました。新入生はペアの上級生にアドバイスをもらいつつ、大使としての第一歩を踏み出しました。

 

今回の議題は「シリア難民危機」で、議場はUNHCR執行委員会総会でした。アラブの春に端を発するシリア内乱の泥沼化は、人権を踏みにじるイスラーム国の拡大と相まって、第2次大戦後最大の難民危機を生み出しました。UNHCRはこれまで、シリア難民を救うために様々なアプローチをとってきましたが、内戦の長期化により、周辺諸国の受け入れ能力の限界、第三定住先として難民を受け入れる国の不足など、新たな問題が浮上しています。それらを踏まえて、シリア難民保護のために今後UNHCRが取るべき方策について話し合ってもらう意図で会議を設計しました。

 

実際の会議では、主に午前の時間を使ってシリア難民の恒常的な解決策(具体的には、周辺国の受け入れ能力強化、第三国定住プログラム、難民の帰還)について、午後の時間を使って喫緊の課題への対処(具体的には、難民キャンプの維持、国内避難民及び都市難民、難民の移動の安全の確保)について話し合われました。モデでは議論の進め方などを巡って、上級生による抽象度の高い議論が繰り広げられ、新入生には分かりづらい部分もあったかもしれません。一方で、アンモデ中に各国との意見調整や文言交渉に主体的に取り組み、スピーチで堂々と意見を述べる新入生の姿を見ることができ、とても頼もしく感じました。

 

この経験を通じて、参加者の皆さんが、地球上には故郷に帰りたくても帰れない人々がいることに思いを馳せ、今後も関心を持ち続けるきかっけとなったのであれば、また新入生の皆さんが模擬国連をこれからも続けたいと思ってくれたのであれば、会議監督として嬉しい限りです。

 

最後になりましたが、設計段階から的確なアドバイスをくださった先輩方、初めての会議に一生懸命に取り組んでくれた新入生の皆さん、様々な仕事を快く引き受けてくれたフロントの4人、心の支えになってくれた8期の皆に、心から感謝しています。本当にありがとうございました。

2015年4月29日水曜日

WMUN 2015


こんにちは。駒場研究会8期旧メン、青山学院大学国際政治経済学部2年の杉野実紀です。今回は314日から23日にかけてソウルで開催されたHarvard World Model United NationsWMUN)について報告させていただきます。

 

WMUNHarvard Universityが主催する模擬国連の世界大会で、毎年2000人以上の学生が世界中から集まります。開催場所は毎年異なり、今年は韓国のソウルで開催されました。日本大使団からは関東五研と九州支部合わせて18名(2名は個人参加)、うち駒場研究会からは私を含め4名が参加しました。

 

私はペアデリゲイツである駒場研究会老メンの岸本万里英とAfrican UnionAU)の“Education in Africa”に関する会議にボツワナ大使として参加し、女性教育の重要性の強調や、就学率を上げる為の給食プロジェクトの提案などを行いました。あくまで私が参加した会議の所感ですが、海外の大会は日本に比べ細かな政策が必要となります。そのため他国の大使との交渉を通して自分の立案した政策のアラが明らかになったり、政策の細部まで英語で上手く説明できなかったりするなど、私にとって課題の多い会議となりました。初めての海外大会、初めての地域会議ということで議事進行や政策立案など戸惑うこともありましたが、他国の学生から日本では得られないような意見や情報を得られたことは今後の糧になると思います。

 

来年のWMUNにも多くの人が参加してくれることを願っています。

2015年4月10日金曜日

模擬国連 全米大会


こんにちは。駒場研究会旧メン、東京大学理科二類2年の廣中彩乃です。本日は、3月に行われた模擬国連会議全米大会日本代表団派遣事業についての報告を致します。これは日本模擬国連(JMUN)主催の事業の一つであり、世界最大規模の模擬国連の大会である全米大会に大使団を派遣し、帰国後には翌年の派遣のために運営を行う事業で、32年という長い歴史を持っています。駒場研究会からは中西、曽我、廣中、松田の4人が参加し、スイス大使として出場しました。


 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
渡米では、提携校との調整と交流のため1週間ほどミシガンに滞在したのち、ニューヨークに移動し、ブリーフィングを日本政府代表部やスイス政府代表部の他、いくつかの国際機関の方から頂き、その後全米大会に出場して世界各国から集まった学生と活発に議論を行いました。


 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
私の所感と致しましては、日本の模擬国連とアメリカの模擬国連の位置づけや会議進行・議論の違いに戸惑いつつも、世界中から集まった人たちと一つのものを作るために協力し、議論することによって、多くのことを学びました。私は世界食糧計画(World Food Programme)の会議に参加し、飢餓対策のための女性の役割向上のための議論を行いましたが、この議場は36カ国約60人の少人数会議でしたので、会議内外での活発な話し合いにより、他の大使との仲を深めることも出来ました。提携校の学生との政策や会議行動の調整では、英語によるコミュニケーションの難しさと、その中でも理解しようという意識を持って納得の行く結論を出すことの喜びを感じました。また、ブリーフィングで外交の最前線で活躍する方々のお話を聞く中で様々な知見を得たことは、国連の活動や自分の将来、国際的な課題についてより意識を向けるきっかけとなりました。この渡米で得られたものを今後の会議や社会への貢献という形で還元していく所存です。













2015年4月9日木曜日

【新入生向け】こまけん春の一日会議のお知らせ


こんにちは、東京大学文科2類の世喜健斗です。

今回は、412日日曜日に開催される「駒研春の一日会議」についての記事を書かせて頂きます。

「駒研春の一日会議」は新入生の皆さんに模擬国連ってどんなことをするのかを実際に知ってもらうための一日体験会議です。

そして、駒場研究会最大の新歓イベントです。

説明会で模擬国連の説明をお聞きになった方もいるとは思いますが、どんなことをするか、お分かりになれましたか。なんとなくは分かったけれど・・・という方も多いことと思います。そんな状態でいきなり一人で会議に参加するなんて、不安ですよね。でも、ご心配はいりません。この「駒研春の一日会議」では上級生とペアになって、会議を実際に体験することが出来ます。また、説明会だけでは伝えきれなかった模擬国連の楽しさや難しさや魅力もこの「駒研春の一日会議」に参加することでお分かりになる事と思います。

模擬国連は言葉だけでは伝えきることが出来ない活動です。経験して初めて分かることや、経験しないと分からないことが数多くあります。

 

今回の「春の一日会議の議場」ではシリア難民危機をテーマとして行います。

 

 
 
 
 
 
 
 
 
アラブの春より始まったシリア情勢の混乱、現在はさらにISILという強力な勢力の登場により混乱に拍車がかかっています。その中で、シリアから逃れた人々は3百万人以上、国内避難民も推定で650万人という、第二次世界大戦以降で最大の難民危機がシリアで引き起こされています。

もちろんのことながら、難民支援を行う国際機関であるUNHCRもシリア難民を救うために様々な支援を行ってきました。しかしながら、シリア内戦の長期化により、周辺諸国の受け入れ能力の限界や第三国定住者の受け入れ国不足といった様々な問題が露呈してきています。

これらのことを踏まえて、シリア難民の保護のためには、UNHCRは今後どのような方策を取るべきなのか、という点について長期的視野に立って包括的に検討する機会としてください。

 

さらに詳しく知りたいという方は模擬国連駒場研究会のホームページ内のLibraryのBGの箇所で春の一日会議(2015)をご確認ください。
模擬国連駒場研究会のホームページはこちら→http://jmun.org/komaba/j/library.html

 

難民問題というのは、非常にポピュラーな問題である一方、国際的に長らく議論されてきつつもいまだに結論が出ていない複雑な議題です。そして、だからこそ面白い議題でもあります。

 

模擬国連の楽しさや奥深さを実際に体験してみてください。そして、深く考え、熱い議論を一緒にしませんか。

皆様のお越しを楽しみに待っています。

 

 

 

詳細はこちら。

日時:4/12(日) 9:00~17:00

場所:国立オリンピック記念青少年総合センター(通称オリンピックセンター)

持ち物:筆記用具、昼食(参宮橋駅前にコンビニあり)

 

集合:830分に参宮橋駅改札前(オリンピックセンターまでは上級生がご案内します)

途中参加、途中抜けも可能です。

会議終了後は、食事会を行います。お気軽にご参加ください。

 

4/14()にレビューを行います。

場所:東大駒場キャンパス 5号館525教室

時間:19:00~21:00

8期強化会議


こんにちは。はじめまして。駒場研究会8期研究の野並です。今回は会議監督をした強化会議の簡単な報告をしようと思います。

 

34日から5日にかけてオリンピックセンターで行い、事前会合は行いませんでした。基本的にWTOを議場として、議題を貿易における途上国待遇としました。ただし、今回の趣向として会議を第1部と第2部に分けたため、議場、議題は実際の所2組あります。第1部は議場をWTOの第8回閣僚会議、議題は先ほどと同様で、第2部は議場をWTOの貿易交渉委員会、農業委員会特別会合、議題は農業における途上国待遇としました。閣僚会合はWTOの方向性を決める議場であり、貿易交渉委員会はそれを具体的に行っていく議場です。2部に分けた趣旨としては、第1部の結果が第2部を進行する大前提とすることで、杜撰になりがちな成果文書を大事にしてもらおうということがありました。

今会議のメインテーマは「交渉とタイムマネジメント」でした。最近の駒場研究会の傾向として、自分の主張を通す方法がかなりの割合で「論破」であり、時には屁理屈やこじつけとも言える論理を用いていたため、交渉を中心に他の会議行動、多様な会議行動を取れるようにしようと考えました。また、最後の数時間に焦って決議案をまとめる会議が散見されたため、そのようなごたごたで不本意な文言が含まれていたり、把握していなかった文言が含まれていたりする決議案が不用意に通ることを懸念して「タイムマネジメント」をテーマとしました。



アンモデベースの会議での数少ないモデの一コマ
 

 

 
 
 


 





話を変えて議題について。WTOでは「世界貿易機関」という名からも分かる通り貿易について扱っています。1995年に設立された組織で、それ以前に前身となる事務局があったとはいえかなり若い組織です。現在のドーハ・ラウンドが設立後初の多角的貿易交渉(ラウンド)というとその若さも際立つでしょう。当然のように先進国が勝手に議題や決議を作り、一カ国ずつ途上国の大使をとある部屋に呼び多数の先進国の大使が署名を促す方式も無くなってまだ20年も経っていません。途上国で開発が進み国際的地位を向上させた結果、実質的にも制度的にも待遇を向上させようとしました。その向上を達成する過程で、先進国に譲歩を引き出すための手札として待遇向上を利用されて現在に至ります。

そもそも貿易ルールは他の国際会議での決議や結論と全く異なり、具体的に定まり、交渉され、抵抗を許さず実行に移すことを求められます。その影響はその後半永久的に自国の経済に影響をもたらし、有利不利のバランスが長期的に維持されるため、交渉に注ぐ力は尋常ではありません。不用意な譲歩は決して許されない議場だったと認識しています。

 
夕食後のモデ

 





 






今回設計にあたってこだわったことはやはりプロシージャーにあります。個人的に要らないと考えるところ(長いスピーチ時間や動議募集の手続き・過程など)を削ぎ落とすこと。また、システムを変えることで会議行動を変えること。この2点を目的としていました。人の行動はシステム(置かれている環境)が変わらなければ変わらないという認識も裏にあります。

 
日陰で裏取引中。現実に則して飛び道具ありな会議でした。

 











 
結論から言えば、これらの考えはやはり理想でした。とはいえ、実際、普通の会議では見られない会議行動が見られたり、交渉への流れができたりなど予想を超える会議になりました。なによりも数少ない「してはいけないこと」しか定められていない様な会議が形になっただけで驚きに値する事だったと思います。議長練と勉強会の時のゲームを通して形にしてくれるだろうと信じて緩い作りにしたわけですが、よかったです。

 

交渉が確固たる手札としてこまけんに加わればもぎこく力がより高まる事必至です。今の他研からの評価に、しっかりとした中身を注ぎ込み、より膨らませることができたら、というのがささやかな思いです。今後の会議でこれでもかという多様な会議行動が見られたらいいなと、できたらいいなと心のそこで願っています。

 

では。