2012年10月11日木曜日

秋会議

こまけん2012年 秋会議


皆様、こんにちは
東京大学理科22年 中島悠輔と申します。
先日、行われた駒場研究会の秋会議について報告させていただきます。

秋会議は911から13日まで、23日で茨城県つくば市にて行われました。会議自体は2日間で行い、最終日は観光を行いました。



秋会議では、2012年最もホットな国際会議だと言われているリオ+20を学びました。会議をリオ+20の本会合ではなく、アジア太平洋地域準備会合で設定し、「貧困解決と持続可能な発展の文脈におけるグリーンエコノミー」という実際の会議でも扱われたテーマを議論しました。


簡単に、議題について説明させていただきます。
グリーンエコノミーとは「持続可能な発展」の3つの柱である「環境保全」、「経済発展」、「生活向上」を全て同時に達成する経済体制のことを言います。

例えば、オバマ大統領が選挙戦の際に公約した「グリーンニューディール政策」はそういった経済の一つの種類になります。彼は再生可能エネルギー開発への投資を行い、また送電網のシステム一新を行うこと約束しました。そうすることによって、石油の使用量を減らし環境保全を行い、再生可能エネルギー開発の業界が活性化することによって経済発展し、さらに投資を増やすことによって雇用が生まれるという効果が得られます。
こういった経済体制を世界全体で作っていこう、と国連環境計画(UNEP)が提唱し、グリーンエコノミーという言葉が生まれました。

しかし、大変理想論的な考え方とも考えられ、それを実現していくためにはどうしたらよいのか、ということが大きな争点になるだろう、と考えられました。


実際のリオ+20では、多くの国はグリーンエコノミーに対して賛成を示したのですが、その中身の分かりにくさにより大変内容の薄い成果しか生まれませんでした。
このような結果を残念に思い、駒場研究会では、その中身に踏み込んで議論をしていこうと努めました。

会議初日は、各国から自国の目線から見たグリーンエコノミー、またそれを進めていくためにとるべき政策が発表されました。

自国の環境問題、貧困問題の解決のために必要なグリーンエコノミーの形がすべての参加国から提示され、政策は全体が把握できない程の量になってしまいました。

それらの政策に対して、各国、また会議のスペシャルアドバイザーであるUNCSDの方が「実現可能性」、「具体性」、「効果」があり、アジアが一丸となって同意できるものだけを抽出しようと質問や反論がその後の会議でずっと繰り返されました。


そういった議論の結果、2日目の午後には政策は洗練され、量もかなり減りました。
そして、それらの政策をまとめ、グリーンエコノミーの具体的な行動方針を記述した成果文書はコンセンサスで採択されました。


こういった、具体的な政策をぶつけ合う中で理解されたことがありました。
それは、やはり上に記述したグリーンエコノミーというのはインフラの整っている先進国であれば導入することができる経済体制ですが、途上国はインフラも整っておらず、また貧困問題が目前の問題となっているため導入することが出来ないということです。
そういった先進国と途上国の主張のずれが具体的な活動を議論する中で理解されました。そしてそのずれを解消するために、単なる「グリーンエコノミー」ではなく「貧困解決と持続可能な発展の文脈におけるグリーンエコノミー」という議題の下で議論を行ったのだ、ということを強く認識しました。




駒場研究会の新メンも春から何個も会議を経験し、旧メンとしっかりと議論をすることが出来るようになってきました。そういった成長した姿が良く見ることが出来た秋会議だったように感じます。会議監督として、また旧メンの一人として皆がしっかりと議論をしている姿に大変感動しました。

今後も、駒場研究会で楽しく熱い議論をしていきましょう!